ルールを知ると、フットサルがもっと面白くなる!
フットサルはサッカーに似ているようで、実はまったく違うルールがたくさんあります。
でも心配はいりません。覚えるのは意外とシンプル。
そしてルールを知るほど、フットサルの“面白さ”と“奥深さ”が見えてきます。
本章では、初心者の方がプレー前に知っておきたい基本ルール・試合形式・反則・コートの特徴を、やさしく丁寧に紹介します。
試合の基本構成を知ろう
試合人数
フットサルは**1チーム5人(フィールド4人+ゴレイロ1人)で行います。
交代要員(リザーブ)は最大9名まで登録可能。
交代はいつでも何度でもOKです。いわゆる「フライングサブ」**が特徴です。
プレーが止まっているときだけでなく、試合中でも交代できるため、テンポよくプレーが回ります。
このルールのおかげで、短い時間でも全員がたくさん出場できるのです。
試合時間
試合は前半20分・後半20分の計40分。
ただし、実際にはボールが外に出たときなどに時計が止まる「プレーイングタイム方式」で進行します。
地域リーグやエンジョイ大会では、15分×2本や10分×2本などの短縮版も多く採用されています。
ハーフタイムは10分以内。
この短い休憩中に、チームで戦術を話し合ったり、ポジションを調整したりするのがフットサルらしさです。
コートとゴールのサイズを理解しよう
フットサルのコートは、サッカーと比べてかなり小さめです。
- コートサイズ:縦40m × 横20m(国際基準)
- ゴールサイズ:横3m × 高さ2m
- ペナルティエリア:ゴールから半径6mの半円
- センターサークル:半径3m
- ペナルティマーク:6m地点と10m地点の2か所
コートが狭い分、ボールを持っている時間も短く、瞬時の判断力が求められます。
そのため、テクニックと頭脳のスポーツと呼ばれるのです。
フットサルボールの特徴
フットサルで使うボールは「サイズ4号」で、サッカーボールより少し小さく、内部の空気圧も低く設定されています。
つまり──「跳ねにくい」。
これにより、ボールコントロールやパス回しがしやすく、初心者でも扱いやすい仕様になっています。
一度触ってみると、サッカーのボールとはまるで違う“しっとり感”を感じられるはずです。
フットサル特有のルールをチェック!
ここからは、初心者が最初に覚えるべき「フットサルならでは」の代表的なルールを紹介します。
キックイン(スローインの代わり)
サッカーではボールが外に出たら「手でスローイン」しますが、フットサルは足でキックインします。
ボールをライン上または外に静止させ、4秒以内に蹴り出すのがルールです。
この「4秒ルール」を忘れがちなので要注意!
ゴールキーパー(ゴレイロ)の制限
ゴレイロは手を使えますが、ペナルティエリア内だけ。
しかも、ボールを4秒以上保持してはいけません。
また、味方からのパスを直接手で取ること(バックパス)は禁止です。
これにより、全員がボールをつなぎながら攻撃を組み立てるプレーが促されます。
4秒ルール
フットサルには、プレーをスムーズに進めるための「4秒ルール」が多くあります。
次のような場面では、4秒以内にプレーを再開しなければなりません。
- ゴレイロがボールを保持したとき
- キックイン
- コーナーキック
- フリーキック
審判が「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントすることもあり、テンポの速い試合展開を生みます。
ファウルと第2PK
フットサルでは、チームの反則が累積カウントされるのが特徴です。
1チームの反則が前半・後半それぞれ6回目に達すると、相手チームに「第2ペナルティキック(10m)」が与えられます。
ファウルを繰り返すと一気に不利になるため、クリーンなプレーが求められます。
このルールが、フェアプレーを重視するフットサル文化を支えています。
タイムアウト制度
各チームは1試合に前半・後半それぞれ1回、1分間のタイムアウトを取ることができます。
監督やキャプテンが審判に申請し、笛が鳴ったタイミングで取るのがルールです。
作戦を立て直したり、選手を落ち着かせたりする重要な時間。
タイムアウト明けに流れを変えるチームも多く、戦略の一部として機能しています。
得点・勝敗の決まり方
得点方法はサッカーと同じく、ボールがゴールラインを完全に越えれば1点。
試合時間終了時点での得点が多いチームが勝利です。
引き分けの場合、延長戦(5分×2)やPK戦が行われる大会もあります。
地域リーグでは引き分けを認める場合もあり、試合形式によってルールが変わる点に注意しましょう。
フットサルならではの戦略的ルール
フライングゴレイロ
終盤、ビハインドのチームが行う戦術として有名なのが「フライングゴレイロ」。
GKがフィールドプレーヤーとして前線に上がり、5人全員でパスを回して攻めます。
リスクもありますが、人数をかけた攻撃は非常にスリリング。
一瞬の判断とチームワークが試される、フットサルらしい戦術です。
ローテーション
フットサルでは、ポジションを固定せずに選手全員が動き続ける「ローテーション」が基本。
ルールとして決まっているわけではありませんが、これを理解しているとプレーの幅が大きく広がります。
ルールがシンプルだからこそ、**“動きの戦術”**が試されるのもフットサルの面白さです。
服装・装備にもルールがある
初心者が見落としがちなのが「服装ルール」です。
安全のため、以下のような決まりがあります。
- すね当て(レガース)は必ず着用
- アクセサリー類(ネックレス・指輪・ピアスなど)は禁止
- トレーニングシューズまたはフットサルシューズを使用(スパイク不可)
大会ではユニフォームの背番号・色の統一も求められます。
安全かつ公平にプレーするための大切なルールです。
観戦のときもルールを知っておくと楽しい!
プレーヤーだけでなく、観る側もルールを知っていると何倍も楽しめます。
特に注目してほしいのは次の3点。
- テンポの速さ:4秒ルールで常に動きがある
- チームの駆け引き:タイムアウトや累積ファウルの管理
- 攻守の切り替え:たった3秒で試合が変わる
この「スピード×戦略×チームワーク」の組み合わせこそが、フットサルの最大の魅力です。
北信越で行われる公式戦ルールの一例
北信越フットサル連盟が主催する公式大会では、原則として日本サッカー協会(JFA)フットサル競技規則に準じています。
ただし、地域リーグやジュニア大会などでは、以下のような特別ルールが設定されることもあります。
- 試合時間:10分×2本(ランニングタイム制)
- 累積ファウル数:前後半でリセット
- タイムアウトなし
- 延長なし・PK戦で決着
こうしたローカルルールも、初心者が安心して参加できる工夫のひとつ。
大会の雰囲気に合わせて、無理なく楽しめるよう設計されています。
ルールを知ることは、仲間を思いやること
フットサルのルールは、単なる決まり事ではありません。
それは「安全に・楽しく・全員が輝くための約束ごと」です。
ファウルを減らし、フェアに戦う。
4秒ルールを守り、テンポを大事にする。
声をかけ合い、チームで助け合う。
そのすべてが、“仲間を大切にする文化”につながっています。
ルールを学ぶことは、チームを思いやる第一歩なのです。
